日本はがん検診を受ける割合が海外と比較すると、極めて少ないです。
今は国民の2人に1人が“がん”になっており、3人に1人はなんと“がん”で亡くなっています。
がん検診を受けることで、がんによる死亡を減らすことができるのに受けていない。これは国民に危機意識がないのか、アピールが足りていないのかわかりませんが、良い傾向ではないことは確かです。
厚生労働省が平成20年に「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を定めました。
項目
・胃がん検診
・子宮頚がん検診
・肺がん検診
・乳がん検診
・大腸がん検診
乳がん検診はマンモ推奨とは少し驚きました。日本人の乳腺量の状況とか知っていての判断だと思うと思慮が浅い印象があります。
マンモグラフィでは早期発見は難しいです。その辺はこちらの記事で触れています。→「乳がん検査の注意点」|医療
今回は胃がん検診における「バリウム検査」の必要性について触れながら述べていきます。

目次
胃がん検診はバリウム検査か内視鏡検査
胃がん検診において、検査方法は2点存在し、「胃X線検査(バリウム検査)」と「内視鏡検査」になります。
胃のX線検査はバリウムを飲む検査ですね。定期検診で通常盛り込まれているものです。
内視鏡検査は、簡単にいうとスコープと呼ばれる細長い管を口か鼻からいれるものです。
バリウムと内視鏡の違い
大きな違いはバリウムを飲むか飲まないか、X線を浴びるか浴びないかですが、そういうレベルの違いではなく診断レベルの違いについて述べます。
35歳以上の方は定期健診でバリウムを飲む胃X線検査をおこなう人がほとんどです。
ただ、胃のX線検査(バリウム検査)では早期がんの発見は難しいとされています。
その理由として、胃のガンは早期だと見分けがつきにくく、表面にあまり凹凸のない平たいものであることが挙げられます。
バリウム検査は胃の粘膜にバリウムが貼られた状態でX線画像を撮影し、粘膜の凹凸によってバリウムが薄い部分や濃くなっている部分を読み取ることにより異常がないかを判断するために行われます。
直視している訳ではないので画像で判断つきにくい面があり、結局内視鏡検査をする流れになりがちです。
一方で内視鏡検査ですが、こちらはスコープと呼ばれる細長い管のような機器の先端に非常に小さいCCDカメラがついており、それを口や鼻に挿入し診断部位に近づけることで直接粘膜を見る検査です。
粘膜の凹凸のみではなく色合いも確認できるので(最近は4Kのものもあり画像がすごく綺麗です)早期胃がんの発見に適しています。
観察した流れで、そのまま病変部を採取して病理学検査によってガンである
かの診断もできます。
・胃のX線検査では早期ガンの発見が困難
・内視鏡検査は直接粘膜を見れるので診断能力が高く、組織生検も行う事が出来る。
バリウム検査は必要か
定期検診では選択制とはいえ、胃X線検査(バリウム検査)を前にして憂鬱な気分になっている方をよく見ることがあります。
上記でもいいましたが、X線検査をしても判断できず、結局内視鏡で見るとなるケースもよくあります。
そうなると二度手間になるので、始めから内視鏡検査ちゃんと診てもらう方が時間の短縮になります。つまり、無駄が省けます。
もちろん医師の判断の下、適切な検査を受けることが最優先になりますが、検診の目的は「自分の体に異常がないかしっかり診てもらう」ですので、費用は若干割高になりますが、最初から内視鏡検査がベターではないかと考えます。
バリウム検査が必要ないという訳ではなく検診では内視鏡検査の方が合理的ではないかという私見です。
内視鏡検査を受けるメリット
胃がんの原因は、かなり高い確率で「ピロリ菌」であるといわれています。
また、40歳を超えると急激に胃がんの発生確率が高くなります。
尿検査でも可能ですが、内視鏡検査を行うと、このピロリ菌が存在しているかを確認することができます。
ピロリ菌が確認された際には、抗生物質で除菌することで、9割除菌することができます。
ピロリ菌があるか確認ができるというメリットがあるので、内視鏡検査を受けることをオススメします。
内視鏡検査の費用
内視鏡検査の費用についても概算にはなりますが紹介しておきます。
検診を受ける前に医療機関で必ず確認をお願い致します。
胃内視鏡検査費用
➀胃内視鏡検査(観察のみ)
保険:1割負担 2,000円前後
保険:3割負担 6,000円前後
➁胃内視鏡検査+生検+病理組織検査
保険:1割負担 3,000~4,000円前後
保険:3割負担 9,000~12,000円前後
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査・手術費用
➀大腸内視鏡検査(観察のみ)
保険:1割負担 2,000円程
保険:3割負担 6,000円程
➁大腸内視鏡+生検+病理組織検査
保険:1割負担 3,000~5,000円程
保険:3割負担 9,000~15,000円程
③大腸内視鏡+ポリープ切除+病理組織検査
保険:1割負担 7,000~10,000円程
保険:3割負担 20,000~30,000円程
これに加えて初診・再診料や前処置薬剤や採血費用が3,000円ほどかかります。
繰り返しいいますが、金額は概算になるので、受診先の医療機関にお問合せください。
内視鏡検査って痛い?
内視鏡検査は痛いとか口から入れるのは抵抗あるといった声があります。
私は内視鏡検査もバリウム検査も両方経験ありますが、どちらかというとバリウムの方が嫌です。内視鏡検査は鎮静剤を打って検査することを選べば、眠っているうちに終わりますので。
私は口から内視鏡検査をした際に、喉に麻酔をうって、眠気を促進させる薬液を注射してもらう方法を選びました。
内視鏡検査自体は10分ほどで終了します、その間のことは内視鏡を口にいれるのも全く覚えていません(;’∀’)
気づいたら終了しているので、鎮静剤をうって行う内視鏡検査はとてもいいなと思いました。終わったら30分くらいベッドで横になって落ち着いたら帰宅可能です。検査始まって帰るまでがだいたい1時間~1時間半くらいでした。
胃がん予防についての知識を深める
今回は胃がん検診についてバリウム検査と内視鏡検査の違い、内視鏡検査の費用についてまとめました。
余談ですが、内視鏡検査は上部内視鏡検査(食道・胃・十二指腸)と下部内視鏡検査(大腸)の2つに分類されています。
上部、下部という言葉がでてきたら「あ、これは胃や食道だな」「下部だから大腸ね」とわかるので頭の片隅にでも覚えておくのもいいかと。検診を予約する場合は 「人間ドックをはじめとした各種検診の検査や予約をできます。胃がん検診の予約についてもこちらからできます」から予約をすることができます。
最後に、胃がん予防について参考になる本をいくつか紹介しておきます。
・「医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方」
胃がん検診だけではないのですが、様々ながん検診について漫画で紹介していますので読みやすいです。がん検診の実態を知りたい方にはおすすめです。
・「ピロリ菌やばい」
胃がんの原因は99%ピロリ菌であるというデータから早期除去を推奨しているホリエモンの本です。治療から予防へという強い意思が込められた本です。
・「胃がんはピロリ菌除菌でなくせる」
ピロリ菌除菌で胃がんはなくせると断言している朝香先生の著書です。胃がんで死なないための知識が盛り込まれています。
主にダイエットについてブログを書いている「よしお」です。誰でもできる簡単ダイエットしてます。「日常にさりげなく」を軸にダイエットをします。泥臭いダイエット日記です。